「老後は2000万円必要」「貯金があれば安心」――そんな言葉を信じて、頑張ってきた方も多いのではないでしょうか?
でも、実際のところ貯金だけでは将来の不安を完全には解消できない時代になっています。
この記事では、資産運用初心者の方が抱えやすい“思い込み”をチェックしながら、今の時代に合ったお金との付き合い方をわかりやすくご紹介します。
※この記事は、金融機関に属さず中立の立場でアドバイスを行う、日本FP協会認定のファイナンシャル・プランナー(AFP)が監修しています。
お金に不安がある方にも、安心して読めるよう、やさしくわかりやすくお届けしています
1. 「貯金があれば安心」は思い込み?
1-1:インフレが教えてくれる“お金の価値”の変化
今100円で買えるものが、10年後も同じ値段とは限りません。インフレ(物価上昇)が進めば、お金の「価値」は目減りしてしまいます。貯金があっても、使うタイミングでその価値が下がっていれば、実質的には“損”していることもあるのです。
1-2:貯金だけだと減るリスクもある
近年、預金金利は少しずつ上昇していますが、都市銀行(メガバンク)の場合、現在の普通預金の金利は約 年0.20%、定期預金でも 年0.275% 程度にとどまります。
一方で、インフレ率(物価上昇率)が年2~3%とすれば、お金の「価値」は確実に目減りしています。
そのため、「増えてはないけれど減ってもいない」と感じることはできても、実際には実質的に減っている状態。
貯金は安心の基本ですが、それだけでは“資産の実質価値”は守りきれない時代になっているのです。
一方で、インフレ率(物価上昇率)が年2~3%とすれば、お金の「価値」は確実に目減りしています。
そのため、「増えてはないけれど減ってもいない」と感じることはできても、実際には実質的に減っている状態。
貯金は安心の基本ですが、それだけでは“資産の実質価値”は守りきれない時代になっているのです。
2. 投資はお金持ちのもの?
2-1:少額から始められる投資がある
投資というと「数十万円以上が必要」と思われがちですが、今は月1,000円〜スタートできる少額積立投資が主流です。NISAやiDeCoを活用すれば、税金面でのメリットも受けられます。
2-2:むしろ「お金が不安な人」こそ必要
「余裕がないから投資なんて…」と思うかもしれませんが、将来の不安がある人こそ、資産を“守る・増やす”視点が必要です。少額・長期・分散の投資なら、無理なくコツコツ始められます。
3. 老後2000万円問題の真実
3-1:この数字の背景と“誤解”とは
いわゆる「老後2000万円問題」は、ある金融審議会の報告書がもとになっています。
その中で挙げられたのは、夫婦の高齢無職世帯の平均支出が月約27万円、年金収入が月約22万円と仮定したとき、毎月5万円の赤字が発生。それを30年間続けると約2000万円の不足になる、という試算です。
ただしこの数字はあくまで「平均」。
実際には、住居費や生活費、地域差などによって大きく異なるため、すべての人に当てはまる“必要額”ではありません。
その中で挙げられたのは、夫婦の高齢無職世帯の平均支出が月約27万円、年金収入が月約22万円と仮定したとき、毎月5万円の赤字が発生。それを30年間続けると約2000万円の不足になる、という試算です。
ただしこの数字はあくまで「平均」。
実際には、住居費や生活費、地域差などによって大きく異なるため、すべての人に当てはまる“必要額”ではありません。
3-2:あなたにとっての“本当に必要な金額”は?
必要な老後資金は人それぞれ。
持ち家の有無、生活費の習慣、家族構成などで大きく変わります。だからこそ「人の数字」に流されず、自分のライフプランに合った設計が大切なのです。
持ち家の有無、生活費の習慣、家族構成などで大きく変わります。だからこそ「人の数字」に流されず、自分のライフプランに合った設計が大切なのです。
4.「投資=ギャンブル」という誤解
4-1:投資と投機のちがいを知ろう
投資と投機は似ているようでまったく違います。
ギャンブル的な短期売買が“投機”である一方、長期的に資産を増やしていくのが“投資”。きちんとした知識と目的があれば、リスクをコントロールすることは十分可能です。
ギャンブル的な短期売買が“投機”である一方、長期的に資産を増やしていくのが“投資”。きちんとした知識と目的があれば、リスクをコントロールすることは十分可能です。
4-2:積立投資は“時間を味方にする”方法
積立投資は、毎月一定額をコツコツと投資していく方法です。価格が安いときには多く、価格が高いときには少なく買う「ドルコスト平均法」により、リスクを分散できます。初心者にもやさしい投資法です。
5. 正しいお金の知識で不安は軽くなる
5-1:相談すること=不安を整理する第一歩
「自分だけで考えていると不安ばかり増える」という方は多いもの。まずは誰かに話すことで、不安が“見える化”され、何から始めればいいかが見えてきます。相談は“整理”のきっかけになります。
5-2:中立の立場で話せる相手を持つ安心感
金融商品の販売を目的としない中立のFPに相談することで、安心して本音が話せます。無理な勧誘もなく、自分のペースで学びながら進められるのがポイント。信頼できる伴走者を持つことが、安心への第一歩です。